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傾物語 感想 (西尾維新)

2019-07-30

「いまならわかるぜ。トランクスの気持ちが」

というわけで、傾物語読了しました。

物語の構成的には涼宮ハルヒの消失とかに近い感じ。王道のタイムトラベルものですね。夏休みの宿題(笑)を間に合わせるために過去へタイムスリップする、阿良々木暦と忍野忍。しかしそこは11年前の八九寺真宵が死ぬ前日だった。こんなプロローグであり、表紙が八九寺メインでありながら、その内容は傷物語アフターといっていいもので、主役は阿良々木暦と忍野忍の物語でした。八九寺の存在がキーになっているのは確かですが、まさかあまり出番がないとは思いませんでした。てっきり猫物語(白)の裏で起きた事件が八九寺の視点で語られるのかと思っていましたので。そして忍野がハルヒでいう長門みたいな役回りで、本当になんでもお見通し過ぎて、流石に引くわw あの人本当に人間なのか。

で、いきなり伝奇モノのジャンルをぶっ飛ばしてSF小説になっちゃいました。とはいえ、科学的な説明があるわけでなし、吸血鬼としてのなんかすごい力でタイムスリップを実現するのでそれ程身構える必要がないのは良いのかも知れません。あくまで舞台装置としての時間旅行なので本質はいつもの物語シリーズとなんら変わりはないですね。

11 年前の過去で八九寺を交通事故から救った阿良々木暦。そして元の時代に戻ってみると、世界が滅亡していた。上述の点でも似非SF小説なのでパラドックスを解決するためか、物語のテーマ故か、平行世界が存在する世界観ですね。そして世界を滅ぼしたのは、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードその人でした。怪異である八九寺真宵と出会わなかったその世界では、阿良々木暦はつばさキャットの際に、忍の助力を得られずにブラック羽川に殺されてしまった。その後に忍は吸血を行い生まれた眷族はねずみ算式に増え、わずか2ヶ月程度で世界を滅亡させてしまったという平行世界。

キスショットが死ねば人類が元通りとかちょっとご都合主義なところも感じましたが、あくまで阿良々木暦と忍の絆を確かめる、あるいは深めるストーリーという意味ではなかなか読ませる内容でした。
このルートの阿良々木暦も精一杯頑張った、とかの辺りはなんとなくマブラヴオルタを思い出しましたねえ。しかし羽川やガハラさんは一体どうなったんでしょうかねえ。アララギさんを殺してしまった羽川はやはりガハラさんに殺されてしまってたりするのだろうか。あの世界の詳しいところも少し見てみたかった気もしたり。

傷物語でその後の影響を考えることなくキスショットを救ってしまった阿良々木暦は、傾物語では、八九寺も世界もどっちも救うことを決意しました。この辺りは随分成長した感じが出てましたね。しかし相変わらず元の世界に戻れないことが分かった時にすぐに忍とこの世界で一生暮らす覚悟をしちゃうのはなあ・・・。残された世界の羽川やガハラさんのことを考えれば、もっともっと悪足掻きしてしかるべきな気はして、その辺はまだ成長段階ということなのだろうか。

ということで、傾物語。流石に猫物語(白)程のインパクトはなかったですが、これはこれで面白い作品でした。

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Posted by macho-metool