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虚ノ少女 感想(Innocent Grey)

2019-07-30

はい、というわけで結構時間が掛かってしまいましたが、殻ノ少女続編の虚ノ少女です。

 システム的には前作で不満だった部分が解消されていて、満足出来る内容だったと思います。捜査パート強制終了の撤廃とか場所選択制のギャルゲー要素少なめとか。

 前作と違い一つの事件に端を発する連続猟奇殺人事件を最後まで追っていく展開となっています。とはいえ、ボリュームは体感で相当増加している印象があり、事件に関わる人物の多さや複雑さも前作を上回っています。プレイ時間は25~30時間ぐらいでしょうか。グラフィックやBGMも変わらず高いクオリティですので、殻ノ少女を気に入った人には問題なくおすすめできる内容です。


総評:7点

 元同僚で頼りになった魚沼と高城は転勤と引っ越しのため今回は未出演。少し寂しいところだったのですが、もう一人の主人公といっていい真崎と前よりは協力的になった八木沼が代わりとなってくれます。そして満を持してカルタグラで高城が頼りっぱなしだった冬至が協力者となってくれますので、むしろ前作よりもバラエティに富んだ布陣になってますね。

物語は、殻ノ少女Trueエンドの2年後から始まります。冬子を連れ去った間宮心璽の所在はわからないまま探偵稼業を続ける玲人にまたしても猟奇殺人事件の調査以来が舞い込み、同じ頃妹の紫は自殺未遂を起こした真崎を助けることになります。

この猟奇殺人事件は真崎の故郷・「ヒンナサマ」と呼ばれる神を崇める人形集落の祟りを模しており、彼の過去とも深く関わっていきます。

 猟奇殺人事件が起きてさーて推理頑張るぞーというところで人形集落の過去編が始まるので推理を楽しみたかった人は出鼻をくじかれること請け合いです。そしてこの過去編が重要ながらも結構な長さで急に知らない人物ばかりが主人公になって話が進むので少し辛いところですね。

以下ネタバレ感想となりますのでご注意をば。

 で、猟奇殺人事件の犯人自体は、前作よりも簡単にわかってしまうと思います。理人の婚約者候補を知ることが出来る立場と、犯行に必要な薬を用意に入手できる立場、事件の中心にいる理人との関係性。その辺から大体明らかになってしまいますし、人形集落での由果殺しが可能な点で完全に特定出来てしまいます。わかり易すぎるのでもう一段階捻りがあるのかと勘繰っていましたが、改めて考えるとこのシリーズってそういう作風じゃないですからそんなわけもなく。

 
 一応3部作らしいので、今回も完全には解決せずといった終わり方です。とはいえ冬子と間宮心璽の所在も判明し、1作から続くファクターは解決したと言ってもいい内容です。まあ新たな事実・経緯が明らかになって、玲人はまたしても事件を追い続ける羽目に陥ってしまうわけですが。本人も内心では冬子の生存は諦めていましたが、それでもこの結末は救えない・・・というかやるせない気持ちにさせられます。それと同時にあの体で出産を終えた冬子の意思の強さに驚きます。

 起きた事実、黒矢尚織が間宮心璽の代わりに新作を執筆し彼を殺害したこと。驚異的医療技術で冬子の命を永らえさせその出産を助けたこと。子供を取り上げ、菜々子とともに育ていたことなどは判明したものの、そこに至る詳しい経緯や、尚織の真意などは当事者が全員死亡・行方不明のため明らかにされていません。玲人は冬子と自分の子供を取り戻すことと、真実を尚織から聞くためにまたしてもパラノイアから逃れられなかったわけですね。彼が冬子の遺体と対面したときの慟哭には涙を禁じえません。

 といった感じで今作も素晴らしい出来だったと思うのですが、Trueエンドの凄まじさに全て持って行かれて今作のメインである人形集落に纏わる猟奇殺人事件自体の印象が薄れてしまった感があるんですよね。メインヒロイン?の雪子の精神障害もそれに至る経緯が殆ど描かれないために共感も同情もあまり出来ませんでしたし、時坂との関わりも淡白で一登場人物としての域を超えていなかった気がします。猟奇性・狂気性という点では前作の方が上でした。

 


 某批評サイトで本作について非常に興味深い考察をしていた方がいました。冬子の母親が単為生殖だったこと。特殊な血液型。冬子の遺した絵画。そして殻ノ少女のテーマ。この辺りから推測される完結編の展開についてのものでしたが、正直大当たりなんじゃないかと思いました。本当にこの展開だったなら素晴らしい作品だなと感じるのと同時に、真実味があり過ぎて勝手ながら見なければ良かったなどと思う始末。ネタバレ上等な方は探してみてください。完結編プレイ時には忘れてプレイしたいところですねw

 というわけで、クオリティは総じて高く、鬱系で猟奇殺人事件とかがダメじゃない人にはオススメ出来る作品です。連作のため、カルタグラはともかく殻ノ少女はほぼプレイ必須といっていいでしょう。

 しかし、選択肢次第とはいえ時坂さん女子高生に手出し過ぎじゃね?と思うこの頃です。

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